頭痛の主な原因と種類|危険なサインや受診の目安について

「また頭痛か…」と鎮痛薬でやり過ごしていませんか?頭痛には、心配のないものから命に関わるものまで、さまざまな原因があります。自分の頭痛がどのタイプかを知ることは、適切な対処への第一歩です。本記事では頭痛の原因と、受診すべき危険なサインを解説します。
- 頭痛の種類と原因(一次性・二次性の違い)
- すぐ受診すべき危険な頭痛のサイン
- タイプ別の対処法と再発を防ぐ生活習慣
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。
なぜ「頭痛」が起こるのか?
頭痛は、頭の内外の血管や神経が圧迫・炎症などの刺激を受けたり、頭や首の筋肉が伸び縮みしたりすることで起こります。血管の痛みは広く伝わり、頭皮や骨を取り巻く部位への刺激はその部分が痛みます。
頭痛の原因は大きく2つ
国際頭痛分類では、頭痛を14のグループに細かく分類していますが、大きく分けると「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つに集約されます。自分がどちらの傾向にあるかを知ることが、適切な治療への近道となります。
頭痛そのものが原因の「一次性頭痛」
一般的に「頭痛持ち」と呼ばれる方の多くはこの一次性頭痛です。検査をしても脳自体に異常は見つかりませんが、繰り返し起こるのが特徴。
代表的なタイプとして「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つがあります。
病気・怪我が原因の「二次性頭痛」
何らかの病気や怪我が原因で引き起こされる頭痛です。くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などが含まれます。中には命に関わるものもあり、“原因不明の強い頭痛”や急激な変化がある場合は、二次性の可能性があるため注意が必要です。
一次性頭痛の主な原因と特徴
日常生活に支障をきたしやすい一次性頭痛。それぞれの原因と痛みの特徴をまとめました。
片頭痛
脳の血管が急激に拡張して周囲の神経を刺激することで起こります。
| 痛み方 | 頭の片側(時に両側)がズキズキと波打つように痛む。 |
|---|---|
| 特徴 | 体を動かすと痛みが増し、吐き気を伴うことも。光や音、匂いに敏感になるのが典型的です。 |
| 頻度 | 月に数回〜週に1回程度、4〜72時間ほど持続します。 |
緊張型頭痛
デスクワークなどによる長時間同じ姿勢や、精神的ストレスで首や頭の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起こります。
| 痛み方 | 頭全体がヘルメットで締めつけられるような、重苦しい痛み。 |
|---|---|
| 特徴 | 肩こりや首の張りを伴うことが多く、動いても痛みは悪化しません。 |
| 頻度 | 午後から夕方にかけて強まる傾向があります。 |
群発頭痛
原因は未解明な部分が多いですが、目の後ろを走る血管の拡張が関係していると言われています。
| 痛み方 | 片方の目の奥を「えぐられるような」激しい痛み。 |
|---|---|
| 特徴 | 痛みがある側の目から涙や鼻水が出たり、目が充血したりします。 |
| 頻度 | 1〜2ヶ月の間、毎日決まった時間に1〜2時間ほどの激痛が襲います。 |
二次性頭痛の主な原因と特徴
二次性頭痛は、脳の病気や感染症が背景に隠れています。過度に恐れる必要はありませんが、早期発見が重要です。主な原因には、血管のトラブル(くも膜下出血など)、脳の腫瘍、ウイルスや細菌による髄膜炎などがあります。
すぐ受診(救急含む)が必要な「危険な頭痛」
以下のような症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください。
- 今までに経験したことがないほどの激痛
- 突然始まり、数分でピークに達する強い痛み
- 頭痛に加え、手足の麻痺・しびれ・ろれつが回らない
- 高熱、発疹、激しい嘔吐、意識が朦朧とする
これらは重篤な脳疾患のサインである可能性が高いです。
色々な原因で起こる頭痛
日常のちょっとした変化も頭痛の引き金(誘因)となります。
| 低気圧 | 気圧変化による血管の膨張。 |
|---|---|
| ホルモン | 生理前のエストロゲン急減による影響。 |
| 温度差 | 急激な寒暖差による自律神経の乱れ。 |
| 睡眠不足・過多 | 脳の血管の拡張や緊張。 |
| 二日酔い | アルコール分解時の血管拡張。 |
| アイスクリーム | 冷たい刺激による神経の誤作動。 |
| 熱中症 | 体温調節機能の低下と脱水。 |
「更年期障害」が頭痛の原因になることも?
閉経前後のおよそ10年間、女性はホルモンバランスの変化に伴い、心身にさまざまな不調が現れます。のぼせやイライラだけでなく、実は頭痛を訴える方も非常に多いです。ホルモン分泌の乱れが自律神経に影響し、特に片頭痛が悪化したり、新たに発生したりすることがあります。
頭痛に隠れた「脳以外の病気」
脳以外に原因がある場合も無視できません。
- 緑内障: 眼圧の上昇による激しい頭痛と目の痛み。
- 副鼻腔炎: 鼻の炎症が波及し、おでこや頬の周囲が痛む。
- 帯状疱疹: ウイルスにより、頭皮にピリピリとした痛みや発疹が出る。
脳神経外科
専門医/指導医
當銀 壮太
「いつもの頭痛だから」と放置するのは禁物です。頭痛の回数が増えたり、痛みの性質が変わったりした場合は、別の要因や二次性頭痛へ移行している可能性もあります。生活の質(QOL)を改善するためにも、一度専門の医療機関で診断を受けることをおすすめします!
頭痛の原因を絞るための「セルフチェック」
診断をスムーズにするために、ご自身の症状を整理してみましょう。
- 今いつから: 突然か、徐々にか
- 場所: 片側か、全体か、目の奥か
- 痛み方: ズキズキ、締めつけ、ガーンと叩かれたよう
- 頻度・持続時間: 毎日か、月に数回か、何時間続くか
- 誘因: 天気、ストレス、お酒、特定の姿勢など
- 伴う症状: 吐き気、光が眩しい、手足のしびれ
日頃から頭痛ダイアリーをつけていくのがおすすめ!
頭痛ダイアリーは、症状を医師に正確に伝えるための強力なツールです。「いつ、何時間、何をしていた時に、どの程度の痛みがあったか」を記録します。数日前の記憶は曖昧になりがちですが、記録があれば最適な薬の選択や、自分でも気づかなかった痛みのパターン(誘因)が見えてきます。