めまい・ふらつき

めまい・ふらつき

めまい・ふらつきは日常的に生じる不調として見過ごされがちですが、脳や神経の異常が関係している場合もあります。
立ちくらみやふらつきが続く、突然強く起こるなどの症状は、早めの医療機関への受診が必要です。
安心して日常生活を送るためにも正しい理解が大切です。

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

當銀 壮太

南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。

めまい・ふらつきとは

めまい・ふらつきとは、体や周囲の物がぐるぐる回るように感じたり、立っていることが困難なほど不安定になったりする感覚を指します。
一時的な疲労や睡眠不足、ストレスが原因の場合が多いですが、中には内耳の異常や自律神経の乱れ、脳卒中や脳腫瘍といった脳の病気が関係していることもあります

症状の現れ方や継続時間によって原因は大きく異なり、放置すると重症化するケースもあるため、正しく見極めることが重要です。

このような方は来院をおすすめします

めまい・ふらつきの中には、重症化の危険性があるため、早めの受診が必要となるケースがあります。
次に挙げる内容に当てはまる場合は、無理をせず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 自分や周囲がぐるぐると回っているような感じがする
  • 足元がふわふわして雲の上を歩いているような感じがする
  • 頭がふわふわする
  • 頭重感がある
  • 天井がまわっている
  • 一定の方向に傾く
  • 朝起きた時のめまい

めまい・ふらつきの原因

めまい・ふらつきの多くは体の平衡機能の乱れによって生じます。
平衡機能は耳(内耳)の前庭感覚、視覚情報、筋肉や関節からの深部感覚の3つが脳で瞬時に統合されることで保たれています。

これらの感覚情報が脳にうまく伝わらなかった場合や、脳の血流が低下した場合にめまい・ふらつきが生じます。特に、内耳にある三半規管の機能障害が原因となるケースが多く見られます。

そのほか、低血圧や自律神経の乱れ精神的ストレスなどが関与することもあります。

内耳とは

内耳とは、耳の奥に位置する、最新の精密機械以上に精巧なメカニズムを備えた臓器です。
物理学的な仕組みと神経系が高度に融合しており、「音を聞く(聴覚)」と「体のバランスをとる(平衡感覚)」という重要な役割を担っています。

内耳

「こわいめまい(中枢性)」と「こわくないめまい(末梢性)」

めまいは、「こわいめまい(中枢性)」と「こわくないめまい(末梢性)」に大別されます。
中枢性めまいは小脳や脳幹の障害が原因となるめまいを指し、末梢性めまいは三半規管や内耳の異常によって起こるめまいを指します。

それぞれで原因や対処法が異なるため、症状の特徴を知ることが大切です。

中枢性めまい(脳が原因・こわいめまい)

中枢性めまいは、脳の機能障害が原因で起こる「脳のめまい」です。
フラフラする、まっすぐ歩けない、体が浮くような浮動感(ぐらぐら)を主な症状とし、脳梗塞や脳出血などの重篤な疾患が隠れている可能性があります。

激しい頭痛や手足のしびれ、物が二重に見える、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、命に関わるため、速やかに救急受診が必要です。

末梢性めまい(耳が原因・こわくないめまい)

末梢性めまいは、内耳や三半規管、前庭神経の異常によって起こるめまいです。
周囲や自分が回転するように感じる回転性めまいが特徴で、頭の向きを変えた際に症状が強まることがあります。

良性発作性頭位めまい症やメニエール病などが代表的な原因です。
吐き気や嘔吐を伴うこともありますが、意識障害や手足のしびれなどの神経症状は通常みられません。

めまい・ふらつきが起こる主な病気

脳の病気

脳は思考・感情・記憶などの高次機能から呼吸・循環などの生命維持まで、全身をコントロールする司令塔です。
体の平衡機能や動きを調整する役割も担っているため、脳に異常が生じている場合はめまいやふらつきが生じます。

脳卒中(脳梗塞・脳出血)

脳卒中は、脳の血管が詰まる、または破れることで脳への血流が阻害される病気です。
初期症状として、「突然のめまいやふらつき」、「まっすぐ歩けない」、「体のバランスが取れない」といった症状が現れることがあります。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が代表的で、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない、激しい頭痛を伴う場合もあります。めまい・ふらつきが急に起こった際は早急な受診が重要です。

小脳や脳幹の疾患

小脳や脳幹は、体のバランスや運動の調整、生命維持に重要な役割を担う部位です。

これらに異常が生じると、強いめまいやふらつき、まっすぐ歩けない、姿勢を保てないといった症状が現れます。原因としては、変性疾患や炎症腫瘍などがあり、中枢性めまいの代表的な疾患です。

めまいやふらつきに加えてろれつ障害や手足のしびれ、吐き気を伴う場合は、早急に医師の診察を受診しましょう。

内耳の病気

内耳は体のバランス(平衡感覚)を保つ役割を担っており、異常が生じると回転性のめまいやふらつきが起こりやすくなります。

下記が代表的な内耳の病気です。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、内耳にある耳石が本来の位置から剥がれ、三半規管内に入り込むことで生じるめまいです。
寝返りや起き上がり、上を向くなど頭の位置を変えた瞬間に、周囲がぐるぐる回るような強い回転性めまいが起こります。

めまいは数秒から数十秒でおさまることが多く、繰り返し起きるのが特徴です。
難聴や手足のしびれなどの神経症状は通常伴いませんが、生活の質に大きな影響を与えることがあります。

メニエール病

内耳に内リンパ液が過剰にたまる内リンパ水腫が原因とされている病気です。
突然起こる激しい回転性めまいが、数十分から数時間繰り返し続くのが特徴です。

めまいに加えて、難聴や耳鳴り、耳が詰まった感じ(耳閉感)を伴うことも多く、発作を繰り返すことで聴力が低下する場合があります。
ストレスや過労が誘因となることがあり、早期の診断と継続的な治療が重要です。

前庭神経炎

内耳と脳をつなぐ前庭神経に炎症が起こることで発症します。
主にウイルス感染が原因とされ、突然の激しい回転性めまいが数日間続きます。

立っていられないほど強いふらつきや吐き気、嘔吐を伴うこともありますが、難聴や耳鳴りは通常みられず、聴力の影響がないことが特徴です。

発症初期は安静や薬物治療が行われ、徐々にバランス機能が回復していきます。
そのため、早めの医療機関の受診をおすすめします。

全身の病気

脳や耳が原因でない場合であっても、体や心の健康状態がめまいやふらつきに関与することがあります。

下記が代表的な全身の病気です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が一時的に止まる、または浅くなる状態を繰り返す病気です。

無呼吸により体が慢性的な低酸素状態となり、脳への血流や自律神経の働きに影響を及ぼします。
その結果、日中の強い眠気だけでなく、起床時のめまいやふらつき、集中力の低下が現れることがあります。

放置すると高血圧や脳卒中のリスクが高まるため、早期の検査と治療が重要です。

低血圧や起立性調節障害

血圧調整がうまくいかず脳への血流が一時的に低下することで、めまいやふらつきを引き起こします
特に立ち上がった瞬間に目の前が暗くなる、立ちくらみが起こるのが特徴です。

自律神経の乱れが関与しており、疲労や睡眠不足、ストレスが症状を悪化させます。
思春期や若年層、高齢者に多く見られますが、生活習慣を改善することで症状が軽減する場合があります。

貧血

貧血は、血液中のヘモグロビンが低下し、脳や全身に十分な酸素が運ばれなくなる状態です。

その結果、立ちくらみやめまい、ふらつき、動悸、息切れなどの症状が現れます。
特に鉄欠乏性貧血は月経や食事の偏りが原因で起こりやすく、女性に多くみられます。

慢性的に続く場合は、日常生活に支障をきたすだけでなく、他の疾患が隠れている可能性もあるため、早めの検査と治療が必要です。そのため、早めの医療機関の受診をおすすめします。

めまい・ふらつきの仕組み|なぜ起こるのか

めまい・ふらつきは、体のバランスを保つ仕組みが正常に働かなくなることで生じます

体のバランスを保つ平衡感覚を支える3つの情報「足の感触(深部感覚)内耳の三半規管(前庭器官)」「視覚」が脳で統合されることで維持されています。
これらの情報が統合できなかった時に、空間認識が乱れ、「めまい」として感じる仕組みになっています。

原因は内耳障害から脳疾患、全身状態まで多岐に渡ります。

当院のめまい・ふらつきの診断と治療

めまい・ふらつきは原因によって検査や治療法が大きく異なります。
そのため、症状の背景を正確に見極めることが、症状改善への第一歩です。
当院では、症状や経過を丁寧に伺ったうえで、適切な検査を行い、原因に応じた治療を行っています。
以下に、当院で実施している主な検査内容と治療方法をご紹介します。

検査内容

神経学的検査前庭機能検査MRI検査などを組み合わせて実施し、めまい・ふらつきの原因を多角的に評価します。
これにより、脳や内耳、自律神経など、どの部位に異常があるのかを詳しく診断します。

検査結果をもとに症状の背景にある根本的な原因を特定し、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療方針や適切な治療法をご提案いたします。

治療方法

めまいの治療では、抗めまい薬が一般的に用いられ、三半規管や内耳に作用して症状の軽減を図ります。

ただし、原因や症状は人それぞれ異なるため、漢方薬脳循環代謝改善薬抗ヒスタミン薬自律神経調整薬抗不安薬昇圧薬などを適宜組み合わせて治療を行います。

症状が強い場合は注射治療が有効なこともあります。回復期には再発予防のため、平衡機能訓練やリハビリも重要です。

めまい・ふらつきにお困りの方はぜひ相談にいらしてください。

\ すぐに終了!即完了!/

MRI検査を予約する

\ 迷ったら、まずはご相談ください/

初診のご予約はこちら

当院のめまい治療で使用するお薬

めまいの原因や症状の強さ、経過に応じて、適切なお薬を組み合わせて治療を行います。

メイロン®(炭酸水素ナトリウム)

体内の酸性状態を改善し、内耳の血流や代謝を整える作用があります。
内耳機能の低下による回転性めまいやふらつきに用いられ、症状の強い急性期には点滴や注射で投与されることもあります。

特に症状が強い場合や早期の症状緩和を目的とする際に選択されます。

メリスロン®(ベタヒスチン)

内耳の血流を改善し、前庭機能の回復を促す抗めまい薬です。
めまいの頻度や強さを軽減する効果があり、メニエール病や慢性的なめまいの治療に用いられます。

副作用が比較的少なく、長期的な内服治療として使用されることが多い薬です。

セファドール®(ジフェニドール)

内耳の前庭神経の興奮を抑え、めまいや吐き気を軽減する作用があります。
回転性めまいが強い場合や、動くと症状が悪化する際に用いられます。

急性期の症状緩和を目的として処方されることが多い薬です。

アデホス®コーワ(アデノシン三リン酸)

血流改善や細胞のエネルギー代謝を促進する薬です。
内耳や脳の循環を改善することで、めまいやふらつき、耳鳴りの軽減を目的として使用されます。

血行不良が関与する慢性的な症状に対して処方されることがあります。

メチコバール®(ビタミンB12)

神経の修復や再生の働きを助けるビタミンB12製剤です。
前庭神経や末梢神経の障害や神経伝達の異常が関与するめまいやしびれに用いられます。

前庭神経炎や慢性のふらつきに対して、他の治療薬と併用されることが多い薬です。

吐き気止め・抗ヒスタミン薬

めまいに伴う吐き気や嘔吐を抑える目的で使用されます。
内耳や前庭神経への過剰な刺激を抑制し、症状のつらさを軽減します。

急性期の回転性めまいや、日常生活が困難(食事が取れないなど)な場合に有効です。

抗不安薬・抗うつ薬

不安や緊張、自律神経の乱れが関与するめまいに使用されます。
精神的ストレスを和らげることで、症状の悪循環を防ぎます。

検査で大きな異常がなく、めまいやふらつきが長引く場合に検討されます。

漢方薬

漢方薬は体質や症状に合わせて処方され、めまいやふらつきを全身のバランスから整えます。
水分代謝や血流、自律神経の調整を目的とし、慢性的な症状や冷え、疲労感を伴う場合に用いられます

西洋薬と併用されることもあります。

片頭痛予防薬

片頭痛予防薬は、片頭痛に関連して起こるめまいやふらつきに使用されます。
脳の神経の過剰な興奮を抑え、発作の頻度や強さを軽減する効果があります。

頭痛を伴うめまいが繰り返し起こる場合に、予防目的で継続的に処方されます。

お気軽にお問い合わせください

「これって受診したほうがいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
症状がはっきりしていなくても、不安や違和感があればご相談ください。

記事の執筆・監修者プロフィール
kashimada.com

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

當銀 壮太

南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。