手足のしびれ
手足のしびれは、疲れや姿勢の影響による一時的なものから、神経や血管、脳の病気が関係している場合まで原因はさまざまです。
本記事では、手足のしびれが起こる主な原因や考えられる病気、受診の目安、検査・治療方法について分かりやすく解説します。
不安を感じている方が安心して行動できるよう、役立つ情報をお届けします。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。
手足のしびれ治療 の特徴
- 認知症専門医/指導医による診療
- 最新MRIによる精密検査が即日で受けられる
- MCI(軽度認知障害)スクリーニング検査を導入
手足がしびれるのは病気?
手足のしびれは多くの人が経験する症状であり、正座や長時間同じ姿勢をとった後に生じる一時的なしびれは、神経が圧迫されることで起こるもので、通常は時間の経過とともに自然に改善します。
一方で、神経や脊椎、脳、内科的疾患などが原因となってしびれが現れることもあり、病気のサインである可能性も否定できません。
思い当たる原因がないしびれや、外傷後・これまでにない感覚のしびれを感じた場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。

手足のしびれの種類
手足のしびれにはいくつかの種類があり、ピリピリ・ジンジンとした感覚の異常、触れているのに感じにくい感覚低下、力が入りにくい運動麻痺などが挙げられます。
また、片側だけに出るしびれや左右対称に現れるしびれなど、出方によって原因が異なる場合もあります。しびれの性質や広がり方を把握することが、原因を見極める手がかりとなります。

- ピリピリ、チクチクと少し痛い感じがある
- ジンジン、ビリビリと電気が走っているような違和感がある
- 物を触った時の感覚が鈍い、物の温度を感じにくい
- 手足が重い、動きづらい、力が入りにくい感じがある
- 裸足なのに、足裏に紙がくっついているような感じがある
手足のしびれの原因
ピリピリ、チクチク、ズキズキ、ジンジンなど、しびれの感じ方は人によってさまざまです。その背景には、神経の圧迫や障害、血流低下、代謝異常、脳・脊髄の病気など多様な原因が考えられます。
しびれは一時的なものから病気のサインとなるものまで幅広いため、症状の特徴を把握することが重要です。

頭に原因がある場合
手足のしびれは、脳に原因がある場合もあります。代表的なものとしては、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こる脳血管障害が挙げられ、片側の手足のしびれや力が入りにくい、ろれつが回らないなどの症状を伴うことがあります。
また、脳腫瘍や神経の炎症などでもしびれが生じると言われています。急に現れたしびれや、言葉の出にくさ・めまい・激しい頭痛を伴う場合には、早急な受診が必要です。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)
脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れて出血する脳出血などを含む病気で、手足のしびれの原因となることがあります。
特に、体の片側に突然しびれや麻痺が現れたり、力が入りにくい、言葉が出にくいなどの症状がみられる場合は注意が必要です。これらは緊急性の高いサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳の中にできた腫瘍が周囲の神経や脳組織を圧迫することで、手足のしびれとして症状が確認されることもあります。しびれに加えて、頭痛や吐き気、けいれん、視野の異常、記憶力の低下など、さまざまな神経症状を伴うことも少なくありません。進行は比較的ゆるやかな場合が多く、初期には「なんとなく違和感がある」と感じる程度にとどまることもあります。
しかし、しびれが次第に強くなる、他の症状が重なってくるといった変化がみられる場合には、早めに医療機関で詳しい検査を受けることが重要です。
脊髄に原因がある場合
手足のしびれは、脊椎に異常があることで生じることもあります。
背骨の中を通る脊髄や神経根が、椎間板の突出や骨の変形などによって圧迫されると、その神経が支配する部位にしびれや痛みが現れます。
首の脊椎に問題がある場合は手や腕に、腰の脊椎に異常がある場合は足に症状が出ることが一般的です。
しびれに加えて首や腰の痛み、動かしにくさを伴う場合には、脊椎疾患の可能性も考え、早めの受診が望まれます。
変形性頸椎症
変形性頸椎症は、加齢や長年の負担によって首の骨や椎間板が変形し、神経が圧迫されることで生じる疾患です。
この神経圧迫により、首や肩のこり・痛みに加えて、腕や手のしびれ、細かな動作のしにくさなどがみられると言われています。
症状は徐々に進行することが多く、首を動かした際にしびれが強まるケースもあります。日常生活に支障を感じるしびれや痛みが続く場合には、整形外科などで評価を受け、適切な治療やリハビリを行うことが大切です。
頸椎椎間板ヘルニア
頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にある椎間板が飛び出し、近くを通る神経を圧迫することで起こります。
その結果、首や肩の痛みだけでなく、腕や手にかけてのしびれや痛み、力の入りにくさなどがみられることがあります。
下を向く姿勢や長時間のデスクワークで症状が悪化する場合もあり、日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。しびれが持続する、動作に支障が出るといった場合には、早めに医療機関での評価が推奨されます。
頸椎後縦靭帯骨化症
頸椎後縦靭帯骨化症は、首の骨の後ろにある靭帯が骨のように硬くなり、脊髄や神経を圧迫することで起こる病気です。
その影響で、手足のしびれや動かしにくさ、細かな作業のしづらさなどが現れる場合があります。進行すると歩行の不安定さや力の入りにくさが現れることもあります。
症状はゆっくり進むことが多いため、しびれが続く場合や違和感が強くなる場合には、早めに医療機関で相談することが大切です。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、腰の骨と骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで発症する疾患です。神経への圧迫によって、腰痛だけでなく、お尻から足にかけてのしびれや痛み、力の入りにくさなどが現れると言われています。
特に前かがみの姿勢や長時間座る動作で症状が強まることもあり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
しびれや痛みが続く、歩きにくさを感じるといった場合には、医療機関で検査を受け、適切な治療やリハビリを行うことが大切です。
末梢神経に原因がある場合
手足のしびれは、脳や脊椎だけでなく末梢神経の障害によって生じることもあります。
末梢神経は脳や脊髄から枝分かれして全身に広がっているため、圧迫や炎症、外傷、代謝異常などが起こると、その神経が支配する部位にしびれや痛み、感覚低下が現れます。
症状は特定の指や手の一部など限局して出ることも多く、動作や姿勢によって変化する場合もあります。しびれが持続する、範囲が広がるといった場合には、末梢神経障害の可能性も考え、医療機関での評価が推奨されます。
胸郭出口症候群
胸郭出口症候群は、首から腕へ向かう神経や血管が、鎖骨周囲や筋肉の間で圧迫されることで生じる疾患です。この圧迫によって、腕や手のしびれ、だるさ、力の入りにくさ、肩や首のこりなどが現れることがあります。
長時間のデスクワークや腕を上げる動作で症状が悪化することもあり、若い世代でもみられる点が特徴です。しびれや腕の違和感が続く場合には、姿勢や生活習慣の見直しとともに、医療機関で適切な評価を受けることが大切です。
手根管症候群
手根管症候群は、手首にある手根管というトンネル状の部分で正中神経が圧迫されることで起こる疾患です。親指から薬指にかけてのしびれや痛み、感覚の鈍さが代表的な症状で、進行すると物をつまみにくい、細かな作業がしづらいといった変化がみられることもあります。
特に夜間や明け方に症状を自覚するケースが多く、手を振ると一時的に楽になることも特徴です。
しびれが続く場合や日常動作に支障を感じる場合には、早めに医療機関で相談し、適切な治療を受けることが大切です。
内科的疾患が原因の場合
手足のしびれは、神経や骨の異常だけでなく内科的疾患によって引き起こされることもあります。糖尿病やビタミン不足、甲状腺機能異常、腎機能障害などにより神経の働きが低下すると、左右対称のしびれや感覚の鈍さとして現れる場合があります。
しびれはゆっくり進行することが多く、痛みを伴わないケースも少なくありません。
原因となる病気の治療が重要となるため、しびれが長く続く、全身症状を伴うといった場合には、内科での検査や相談を検討することが大切です。
糖尿病神経障害
糖尿病神経障害は、血糖値の高い状態が長く続くことで末梢神経が障害され、手足のしびれや感覚低下が現れる合併症です。
初期には足先の違和感やピリピリした感覚として始まることが多く、進行するとしびれの範囲が広がったり、痛みや温度を感じにくくなったりすることもあります。
さらに悪化するとけがややけどに気づきにくくなるため注意が必要です。しびれを自覚した場合には、血糖コントロールの見直しを含め、医療機関で適切な評価と管理を受けることが重要です。
ビタミン欠乏
ビタミン欠乏、とくにビタミンB群の不足は神経の働きに影響を与え、手足のしびれや感覚異常の原因と考えられます。偏った食事や過度な飲酒、消化吸収の低下などが背景にある場合も多く、足先や手先からじわじわと症状が現れるのが特徴です。
しびれのほかに、疲れやすさや筋力低下、口内炎などを伴うこともあります。食生活の改善や必要に応じた補充で回復が期待できるため、気になる症状が続く場合には医療機関で相談することが大切です。
こんな時はすぐに受診を!
手足のしびれや痛みの中でも、特に注意が必要なのが脳卒中による症状です。
突然現れたしびれに加え、ろれつが回らない、吐き気がする、物が二重に見える、片側の手足が動かしにくいといった変化がみられる場合は、緊急性が高い可能性があります。
これらは時間との勝負となることが多く、早期の治療が予後を左右します。いつもと違う強いしびれや神経症状を自覚した場合には様子を見ず、迷わず救急車を要請し、速やかに医療機関で診察を受けることが重要です。
しびれる部位から考えられる主な病気

手足のしびれは、現れる部位によって原因となる病気をある程度推測できる場合があります。
例えば、体の片側にしびれが出る場合は脳の病気、首から腕にかけて広がるしびれは頸椎の疾患、手指の一部に限局したしびれは末梢神経の障害などが考えられます。
また、両足先から左右対称にしびれが進む場合には内科的疾患が背景にあることもあります。
しびれの範囲や広がり方、出現のタイミングを把握することは原因の見極めに役立つため、症状の経過を意識して観察し、受診時に伝えることが大切です。
若い女性に起こりやすい?更年期との関係は?
若い女性でも手足のしびれを自覚することはあり、原因の一つとしてホルモンバランスの変化が関係する場合があります。特に更年期では女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、自律神経の乱れや血流低下が起こりやすくなります。
その結果、手足の冷えや感覚異常、しびれなどの症状が現れることがあります。
ただし、若い世代ではストレスや姿勢不良、貧血など他の要因も多く、必ずしも更年期とは限りません。
しびれが長く続く、範囲が広がる、痛みや脱力を伴う場合は神経や脳の病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関で相談することが大切です。

手足のしびれの検査・診断方法
手足のしびれの検査では、まず症状の出方や部位、経過などを詳しく確認する問診と神経学的診察が行われます。そのうえで原因が疑われる部位に応じて、頭部や脊椎の異常を調べるMRI・レントゲンなどの画像検査が実施されます。
また、糖尿病やビタミン不足など全身疾患の有無を確認する血液検査、末梢神経の働きを評価する神経伝導検査や筋電図検査が行われることもあります。これらの結果を総合的に判断し、しびれの原因を特定して適切な治療方針が決定されます。

手足のしびれの治療方法
手足のしびれに対しては、痛み止めやしびれを和らげる市販薬によって一時的に症状が軽減することもあります。
しかし、しびれの背景には神経や脊椎、内科的疾患などさまざまな原因があるため、根本的な改善には原因を特定することが重要です。医療機関では、原因に応じて薬物療法やリハビリテーション、生活指導、場合によっては手術などが検討されます。
自己判断で様子を見るだけでなく、症状が続く場合には医師の診察を受け、原因に対する適切な治療を行うことが大切です。

まとめ
手足のしびれは、一時的な神経の圧迫によるものから、脳や脊椎、末梢神経、内科的疾患などが関係するものまで原因は多岐にわたります。
しびれの部位や出方、持続時間、他の症状の有無によって考えられる病気は異なるため、症状を正しく把握することが重要です。
特に突然のしびれや麻痺、言葉の異常などを伴う場合は早急な対応が必要です。
気になるしびれが続く際には自己判断せず、医療機関へ相談し適切な診断と治療につなげましょう。
よくある質問
手足のしびれが一時的で、正座や長時間同じ姿勢をとった後など原因がはっきりしている場合は、自然に改善することも多くあります。
しかし、原因が分からないしびれや長く続くしびれ、範囲が広がる場合は病気が隠れている可能性もあります。
違和感が続く際には自己判断せず、医療機関で相談することが望まれます。
しびれが数日以上続く場合や、徐々に強くなる、範囲が広がるといった変化がみられる場合には受診を検討しましょう。
また、しびれに加えて痛みや脱力、歩きにくさなどを伴う場合も注意が必要です。
特に突然現れたしびれや片側だけの症状がある場合は、早めに医療機関で評価を受けることが大切です。
手足のしびれは高齢者に多い印象がありますが、若い人でも起こることがあります。
長時間のスマートフォンやパソコン使用による姿勢不良、ストレス、貧血、神経の圧迫などが原因となる場合も少なくありません。
ただし、年齢に関わらず病気が背景にあるケースもあるため、しびれが続く場合には医療機関で相談することが大切です。
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「これって受診したほうがいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
症状がはっきりしていなくても、不安や違和感があればご相談ください。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。