けいれん・てんかん
けいれんは「てんかん」が原因かもしれません。
てんかんは、年齢を問わず発症する可能性のある脳の病気です。
突然のけいれんや意識消失だけでなく、短時間ぼんやりする発作など症状はさまざまです。正しい知識と適切な診断・治療により、多くの方が安定した生活を送ることができます。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。
てんかんとは
てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に過剰な電気活動を起こすことで、繰り返し発作が生じる病気です。
発作の現れ方はさまざまで、全身のけいれんだけでなく、意識が一瞬途切れる、動きが止まる、手足が勝手に動くなど多様な症状があります。
発症率は約100人に1人とされ、決して珍しい病気ではありません。
年齢を問わず起こりうる、私たちにとって身近な脳の疾患です。

てんかんの種類と症状
てんかんの発作は、始まる脳の部位により「焦点起始発作(部分発作)」と「全般起始発作(全般発作)」の大きく二つに分けられます。
また、始まりがはっきりしないものは「起始不明発作」と呼ばれます。
突然のけいれん、意識消失、動きが止まる、同じ動作を繰り返すなどの症状がみられる場合は、てんかんが疑われます。
焦点起始発作
焦点起始発作とは、脳の一部(焦点)から異常な電気活動が始まる発作です。
症状は発作が起こる部位によって異なり、手足の一部がピクピク動く、しびれや違和感を感じる、急に不安感や既視感が出るなど多様です。
意識が保たれる場合もあれば、ぼんやりして呼びかけに反応しにくくなることもあります。発作が周囲に広がると、全身けいれんへ移行することもあります。
- 顔や手の一部がしびれたり、ガクガクしたりする。
- 頭痛や吐き気を催す。鳥肌が立つ。急に汗をかく。(自律神経発作)
- 皮膚がピリピリする。輝く点や光が見える。(感覚発作)
- 意識がなくなり、動作が停止する。手をごそごそ動かす。口をもぐもぐする。(動作停止発作/ 自動症発作)
- 意識がなくなり、目が側方を向く。顔ががくがく側方を向く。その後全身を硬直させたり、がくがくとけいれんする。(焦点起始両側強直間代発作)
全般起始発作
全般起始発作とは、発作の始まりから脳全体に同時に異常な電気活動が広がるタイプの発作です。突然意識を失い、全身が硬直したあとにけいれんを起こす「強直間代発作」が代表的です。
そのほかにも、数秒間ぼんやりして反応がなくなる欠神発作や、手足が一瞬ビクッとするミオクロニー発作などがあります。発作後に強い眠気や頭痛がみられることもあります。
- 急に体の力が抜けて、崩れるように倒れる。(脱力発作)
- 顔や手足が一瞬ピクッと動く。(ミオクロニー発作)
- 手足を伸ばした格好で全身を硬くする。(強直発作)
- 手足を伸ばした格好で全身を硬くする。(間代発作)
てんかんの発作は非常に多彩で、必ずしも典型的な症状が現れるとは限りません。
ただし多くの場合、患者さんごとにほぼ一定の発作パターンが繰り返し出現するという特徴があります。
てんかんの原因
てんかんの原因は多岐にわたり、脳の外傷や脳卒中、腫瘍、先天的要因などが関係することがあります。
一方で、詳しく検査を行っても明らかな原因が特定できない場合も少なくありません。

- 脳出血や脳梗塞、アルツハイマーなどの病気
- 出産時のトラブルなどによる脳障害
- ウイルスや細菌による感染症
- 遺伝子の変異
- 先天的な代謝異常
- 自己免疫の異常
てんかんになりやすい人
てんかんは誰にでも起こりうる病気ですが、特に脳に何らかのダメージを受けたことがある方は発症リスクが高まります。
たとえば、脳外傷や脳卒中、脳腫瘍、中枢神経の感染症の既往がある場合です。
また、出生時の低酸素状態や発達の遅れ、家族にてんかんのある方がいるケースでも注意が必要です。
乳幼児期と高齢期は発症が比較的多い年代とされています。

てんかんは遺伝するのか?
てんかんの中には遺伝的な要因が関与するタイプもありますが、すべてが遺伝するわけではありません。
多くの場合、親がてんかんだからといって必ず子どもに発症するものではなく、過度に心配する必要はありません。
遺伝的素因に加えて、脳の状態や環境要因などが複雑に関係して発症すると考えられています。不安がある場合は、専門医に相談し正しい情報を得ることが大切です。
てんかんの検査・診断方法
てんかんの診断では、まず発作の状況や経過を詳しく問診することが重要です。
そのうえで、MRIなどの画像検査で脳に腫瘍や出血、形成異常がないかを評価します。必要に応じて脳波検査により脳の電気活動を調べ、てんかん特有の異常波形がないか確認します。
これらの情報を総合的に判断し、発作の種類や原因を見極めて診断を行います。

てんかんの治療方法
てんかんの治療は、まず抗てんかん薬による内服治療が基本となり、多くの場合は薬で発作をコントロールすることが可能です。
発作のタイプや年齢、生活背景に合わせて薬を選択し、調整していきます。
十分な効果が得られない場合には、外科的治療を検討することもあります。
当院で手術が必要と判断した際は、信頼できる専門医療機関へ速やかにご紹介いたします。

てんかんの患者さんが受けられる制度
てんかんの患者さんは、自立支援医療制度や障害者手帳などの公的支援を利用できる場合があります。
医療費の自己負担軽減や各種福祉サービスの対象となることがあり、状況に応じて申請が可能です。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、てんかんを含む精神疾患により日常生活や社会生活に制限がある方を対象とした制度です。
一定の基準を満たすことで交付され、等級に応じて税制上の優遇や公共料金の割引、就労支援などさまざまな福祉サービスを受けられる場合があります。
申請には医師の診断書が必要となり、症状や生活への影響を踏まえて総合的に判定されます。
障害年金制度
障害年金制度は、病気やけがにより日常生活や就労が制限される場合に、生活を支えるための公的年金制度です。てんかんも対象となり、発作の頻度や重症度、生活への影響などをもとに等級が判定されます。
初診日や保険料納付要件などの条件を満たす必要があり、申請には医師の診断書が必要です。
継続的な治療と記録が重要となります。
まとめ
てんかんは決して珍しい病気ではなく、正しい診断と適切な治療により多くの方が安定した生活を送ることが可能です。発作の特徴を理解し、早期に医療機関へ相談することが大切です。
不安や疑問があれば、一人で抱え込まず専門医にご相談ください。
よくある質問
認知症は徐々に物忘れが進行しますが、てんかんは短時間の意識消失や反応低下が繰り返し起こるのが特徴です。脳波検査やMRIなどで総合的に鑑別します。
一定期間発作が抑えられていれば運転が認められる場合があります。道路交通法に基づき、主治医の診断と申告が必要となります。
適切な薬物治療で発作が長期間起こらなくなる方は多く、減薬や中止が可能な場合もあります。ただし再発の可能性もあり、医師の慎重な判断が必要です。
発作前に違和感や吐き気、既視感、不安感などを自覚することがあります(前兆・前触れ)。ただし前兆がない場合もあります。
妊娠前から主治医と相談し、薬の種類や量を調整することが重要です。自己判断で中止せず、計画的な管理のもとで妊娠・出産を目指します。
お気軽にお問い合わせください
「これって受診したほうがいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
症状がはっきりしていなくても、不安や違和感があればご相談ください。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。