もやもや病

もやもや病

もやもや病は、子どもから大人まで幅広い年代で発症する可能性がある脳の血管の病気です。
頭痛や手足のしびれ、一時的な脱力などの症状が現れることがあり、脳梗塞や脳出血の原因になることもあります。

ここでは、もやもや病の症状や原因、検査、治療についてわかりやすく解説します。

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

當銀 壮太

南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。

もやもや病とは?

もやもや病とは、脳の主要な血管である内頚動脈やその分枝が徐々に狭くなり、脳への血流が不足することで起こる病気です。
血流を補うために細い血管が網の目のように新しく形成されますが、この血管が脳血管撮影で煙が立ちのぼるように見えることから「もやもや病」と呼ばれています。

子どもでは脳虚血による一時的な脱力やしびれ、大人では脳出血などを起こすことがあり、早期の診断と適切な治療が重要とされています。

もやもや病は何人くらいいる?

もやもや病は比較的まれな病気ですが、日本では世界的にみても患者数が多いことが知られています。国内の調査では、有病率は10万人あたり6〜10人程度とされており、全国では数万人規模の患者がいると推定されています。

現在、もやもや病は国が定める指定難病の一つとなっており、一定の条件を満たす場合には医療費助成の対象となることがあります。適切な検査と診断を受けることが重要です。(難病情報センター)

どんな人がなりやすい?

もやもや病は、子どもから大人まで幅広い年代で発症する可能性があります。特に、5〜10歳前後の子ども30〜40代の成人に発症することが多い病気です。
また、男女では女性にやや多い傾向があることが知られています。さらに、家族の中にもやもや病の患者がいる場合、発症する可能性が高くなることがあり、遺伝的な要因の関与も考えられています。

ただし、はっきりとした原因はまだ完全には解明されておらず、さまざまな要因が関係しているとされています。

もやもや病の原因

もやもや病のはっきりとした原因は、現在のところ完全には解明されていません
脳の主要な血管が徐々に狭くなることで血流が低下し、それを補うために細い血管が新しく形成されると考えられています。
発症にはさまざまな要因が関係しているとされ、遺伝的な関与も指摘されています。

もやもや病は遺伝する?

もやもや病は必ずしも遺伝する病気ではありませんが、家族内で発症するケースがあることから、遺伝的な要因が関係している可能性があります。実際に、親や兄弟などの近い血縁者にもやもや病の患者がいる場合、発症する可能性がやや高くなると報告されています。

ただし、多くの患者は家族歴がない「孤発例」とされており、遺伝だけで発症するわけではありません。現在も遺伝子や発症の仕組みについて研究が進められています。

もやもや病の症状

もやもや病では、脳の血管が徐々に狭くなることで脳への血流が不足し、さまざまな症状が現れます。代表的な症状には、頭痛、手足のしびれや脱力、言葉が出にくい、めまいなどが挙げられます。

また、子どもでは脳への血流不足による一時的な麻痺などがみられることがあり、大人では脳出血として発症するケースもあります。症状の現れ方は人によって異なり、早めの検査と診断が重要です。

小児に多い:一過性脳虚血発作(TIA)

過呼吸によって脳の血管が収縮し、一時的に血流が途絶えることで起こります。

主なきっかけ

  • 熱いものを「フーフー」と吹く
  • 笛の演奏
  • 激しく泣く
  • かけっこ

主な症状

  • 急に手足の力が抜ける
  • 持っていた箸を落とす
  • ろれつが回らない

※数分〜数十分で元に戻るのが特徴ですが、脳梗塞の「前触れ」として非常に重要なサインです。

成人に多い:脳出血

血流を補おうとして無理をしていた細い血管(もやもや血管)に負担がかかり、破綻して出血を起こします。

主な症状

  • 突然の激しい頭痛
  • 意識障害
  • 片麻痺

成人での発症は重篤な後遺症を残すリスクが高いため、無症状のうちに発見し予防することが肝要です。

もやもや病の診断方法

もやもや病の診断では、脳の血管の状態や血流を詳しく調べるために、画像検査を中心とした評価が行われます。代表的なのがMRI検査やMRA検査で、脳の血管の狭窄や特徴的な細い血管の広がりを確認する検査です。

さらに詳しく血管の状態を調べる必要がある場合には、脳血管撮影(カテーテル検査)が行われることもあります。
また、脳への血流の状態を調べる脳血流検査を行う場合もあり、これらの結果を総合的に判断して診断します。

もやもや病の治療方法

もやもや病の治療は、症状の程度や年齢、脳の血流の状態などを考慮して行われます。脳への血流が不足している場合には、血流を改善するための手術治療(血行再建術)が検討されることがあります。

また、症状が軽い場合や手術が難しい場合には、抗血小板薬などの薬物療法で脳梗塞の予防を行うこともあります。
治療方針は患者さん一人ひとりの状態に合わせて決定されるため、専門医による適切な評価と継続的な経過観察が重要です。

診察風景

もやもや病の進行について

もやもや病は、脳の血管が徐々に狭くなることで進行する可能性がある病気です。

ただし、進行のスピードや症状の現れ方には個人差があり、必ずしもすべての人で急速に悪化するわけではありません。症状がほとんどみられないまま経過する場合もあれば、脳梗塞や脳出血などをきっかけに見つかることもあります。

そのため、診断された後は定期的な検査を行い、脳の血流や血管の状態を確認しながら経過をみていくことが大切です。

日常生活での注意点

もやもや病と診断された場合は、脳への血流が低下しないよう日常生活にも注意が必要です。過度な過呼吸や強いストレス、急激な脱水などは脳血流に影響を与える可能性があるため、体調管理を心がけましょう。

特に、激しい運動や長時間の入浴、体調不良時の無理な活動には注意が必要です。
また、頭痛や手足のしびれ言葉が出にくいなどの症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。定期的な通院と医師の指示に従った生活管理を続けることが重要です。

まとめ

もやもや病は、脳の血管が徐々に狭くなることで脳への血流が不足し、さまざまな症状を引き起こす病気です。頭痛や一時的なしびれなどの軽い症状であっても、背景にこの病気が隠れていることがあります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関で相談することが大切です。

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「これって受診したほうがいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
症状がはっきりしていなくても、不安や違和感があればご相談ください。

記事の執筆・監修者プロフィール
kashimada.com

日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医

當銀 壮太

南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。