緊張型頭痛とは – 緊張型頭痛の原因や対処法について

「午後になると頭が締め付けられるように痛む」「首や肩がガチガチに張って、頭が重苦しい」
このような症状に悩まされていませんか?それは「緊張型頭痛」かもしれません。
緊張型頭痛は、日本人に最も多い頭痛と言われており、放置すると日常生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。しかし、正しい知識を持ち、適切な対処を行うことで、その痛みはコントロールすることが可能です。
この記事では、緊張型頭痛の特徴や原因、今すぐ実践しやすい対処法についてわかりやすく解説します。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。
ご自身の頭痛のタイプを正しく理解し、辛い痛みから解放されるための第一歩を踏み出しましょう。
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛は、脳に病気がないのに繰り返し起こる「一次性頭痛(慢性頭痛)」の一つです。一次性頭痛には、片頭痛や群発頭痛などがありますが、その中でも緊張型頭痛は世界的に最も有病率が高い頭痛として知られています。
子供から高齢者まで幅広い年代に見られますが、特に働き盛りの世代に多く、デスクワークや家事の合間に重苦しさを感じる人が後を絶ちません。
緊張型頭痛は、その頻度によって大きく2つのタイプに分けられます。
反復性緊張型頭痛
月に数回程度、ときどき起こるタイプです。数時間から数日間痛みが続くことがありますが、自然に治まることも多いのが特徴です。主に身体的なストレス(長時間同じ姿勢など)が引き金となります。
慢性緊張型頭痛
頭痛がほぼ毎日(月に15日以上)、3ヶ月以上にわたって続くタイプです。痛みが日常生活の一部になってしまい、鎮痛薬が手放せなくなるケースも少なくありません。こちらは身体的ストレスに加え、精神的なストレスが複雑に絡み合っていることが多いとされています。
緊張型頭痛の症状
緊張型頭痛の痛みは、よく「頭にきついハチマキを巻かれたような締め付け感」と表現されます。
片頭痛のように「ズキンズキン」と脈打つような痛みではなく、頭全体がギューッと圧迫されるような、あるいは重い石が乗っているような鈍い痛みとしてでることが多いです。
緊張型頭痛の主な症状
具体的な症状としては、以下のような項目が挙げられます。
- 頭の両側が締め付けられるように痛む
- 後頭部から首筋にかけて重苦しい感じがする
- ヘルメットを被っているような圧迫感がある
- 肩こりや首の張りを強く伴う
- 光や音に対して少し敏感になることがある(片頭痛ほどではない)
- 動いても痛みが悪化せず、むしろ動いた方が楽になることがある
片頭痛と緊張型頭痛の違いは?
多くの人が「自分の頭痛はどっちだろう?」と悩みますが、緊張型頭痛と片頭痛では対処法が大きく異なります。以下の表で違いを確認してみましょう。
| 特徴 | 緊張型頭痛 | 片頭痛 |
| 痛みの性質 | 圧迫感、締め付け感(非拍動性) | ズキンズキンと脈打つ(拍動性) |
| 痛む場所 | 頭全体、後頭部、両側 | 片側(両側の場合もある) |
| 動いた時 | 変わらない、あるいは楽になる | 悪化する(じっとしていたい) |
| 随伴症状 | 肩こり、首の張り | 吐き気、光・音過敏 |
| お風呂 | 温めると楽になる | 温めると悪化する |
しかし大切なのは、これらの症状がすべて当てはまるわけではありません。オーバーラップする部分もあります。
片頭痛だけど、締め付ける、圧迫感として痛みがでることがあります。
片頭痛だけど片側でなく両側が痛むこともあります。
両方の頭痛を合併してしまっている方もいます。
緊張型頭痛が起こるメカニズム
反復性緊張型頭痛のメカニズム
主な原因は「筋肉の収縮」です。首や肩、背中の筋肉が長時間緊張し続け筋肉の緊張が続くことで痛みを感じる神経が刺激され、頭痛が生じると考えられています。
慢性緊張型頭痛のメカニズム
慢性化すると、筋肉の状態だけでなく「脳の痛みを感じるシステム(痛覚閾値)」に変化が起こります。本来なら痛みと感じない程度のわずかな刺激に対しても、脳が「痛い!」と過敏に反応してしまうようになります。これを「中枢性感作」と呼び、筋肉のコリが取れても痛みが消えない原因となります。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛を引き起こす要因は、完全には解明されておりませんが、以下のような要素が複数組み合わさっていることがほとんどです。
1. 精神的なストレス
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、家庭内の問題などの精神的なストレスにより筋肉の緊張が高まり、痛みを感じやすい状態になることで頭痛が生じると考えられています。
2. 身体的なストレス
最も身近な原因です。
- 長時間のデスクワーク: 同じ姿勢を続けることで、首や肩の筋肉に過度な負担がかかります。
- スマホ首:長時間うつむく姿勢は、頭の重さ(約5kg)を首や肩の筋肉で支えることになり、筋肉に負担をかけ、頭痛の誘因となることがあります。
- 運動不足: 筋肉が動かされないことで血行が滞り、凝り固まりやすくなります。
- 交通事故等のむち打ちによる頸部への負担
3. 物理的要因
環境による刺激も無視できません。
- 冷え: エアコンの冷気や冬の寒さで体が冷えると、筋肉が緊張しやすくなる。
- 枕の不適合: 高すぎる枕や柔らかすぎる枕は、睡眠中に首の筋肉を緊張させ、朝起きた時の頭痛の誘因になることがあります。
- 視力に合わない眼鏡: 目を酷使することで、頭痛につながります。
緊張型頭痛の検査・診断
頭痛が続く場合、まずはそれが「怖い頭痛(二次性頭痛)」ではないことを確認することが重要です。
クリニックでは、問診で痛みの頻度や性質を確認するほか、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行います。これは、くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫といった、命に関わる病気が隠れていないかを診断するためです。
特に、「今まで経験したことがないような激痛」「手足のしびれや麻痺を伴う」「急激に痛みが強くなる」といった場合は、医療機関の受診を検討してください。検査の結果、脳に異常がないと判断されて初めて「緊張型頭痛」としての治療が始まります。
緊張型頭痛の治療法
医療機関での治療は、大きく分けて「薬物療法」と「非薬物療法」があります。
薬物療法
| 薬の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 急性期治療薬 | 痛みが出た時に飲む鎮痛薬(NSAIDsなど)です。ただし、飲みすぎると「薬剤乱用頭痛」を招く恐れがあるため、注意が必要です。 |
| 筋弛緩薬 | 凝り固まった筋肉を和らげる薬です。 |
| 抗不安薬・抗うつ薬 | 慢性型の場合、脳の痛みへの過敏さを抑えるために少量使用することがあります。 |
非薬物療法
生活習慣の改善指導や、理学療法(マッサージや電気治療など)を行います。当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせたアドバイスを行っています。
今すぐ痛みを和らげる対処法(緊張型頭痛の治し方)
緊張型頭痛の「治し方」において重要なのは、首や肩周囲の筋肉の緊張を和らげることに加え、ストレスや睡眠不足など頭痛を悪化させる要因を整えることが重要です。痛みを感じた時や、予防のために日常的に行える対処法をご紹介します。
1. 「頭痛体操」で筋肉をほぐす
首や肩の深い部分にある筋肉を動かすストレッチです。
- 肩の上げ下げ: 両肩を耳に近づけるようにギュッと引き上げ、一気に脱力します。これを数回繰り返します。
- 肩甲骨回し: 肘を軽く曲げ、肩甲骨を大きく動かすイメージで腕を回します。前回し、後ろ回し各10回程度行いましょう。
2. 正しい姿勢を意識する(デスクワークの合間に)
パソコンやスマホを使う際は、以下の点に気をつけましょう。
- 画面を目線の高さに合わせる。
- 30分に一度立ち上がったり、首をゆっくり回したりして姿勢をリセットする。
- 猫背にならないよう、骨盤を立てて座る。
3. リラクゼーションと十分な睡眠
ストレスを溜め込まないよう、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。温めると楽になることも多いです。深呼吸をするだけでも、副交感神経が優位になり筋肉の緊張が和らぎます。また、睡眠不足は痛みの感受性を高めてしまうため、規則正しい睡眠を心がけてください。
まとめ
緊張型頭痛は、多くの人が経験する非常に身近な病気です。しかし、「たかが肩こりからの頭痛」と軽視して我慢し続けると、脳が痛みに敏感になり、治りにくい「慢性緊張型頭痛」へと移行してしまいます。
- 頭を締め付けられるような痛み
- 肩こりや首の張りを伴う
これらの特徴に当てはまる方は、まずは生活習慣の中で「首や肩の体操をする」「ストレスや睡眠不足等をさけリラックス」を意識してみてください。
もし、「市販の鎮痛薬が効かなくなってきた」「痛みの回数が増えている」と感じる場合は、一人で悩まずに専門の医療機関へご相談ください。適切な診断と治療を受けることで、頭痛に振り回されない健やかな毎日を取り戻すことができます。
かしまだ頭痛 脳神経クリニックでは、脳神経外科の専門医があなたの症状を詳しく伺い、最適な治療法をご提案いたします。
よくある質問
痛みの性質が目安になります。緊張型頭痛は頭全体が締め付けられる鈍い痛みで、動いても悪化しません。片頭痛はズキンズキンと脈打つ痛みで、動くと悪化し吐き気を伴うことが多いです。ただし両方を合併しているケースもあるため、判断が難しい場合は医療機関へご相談ください。
飲みすぎには注意が必要です。鎮痛薬に頼り続けると「薬剤乱用頭痛」を招く恐れがあります。「薬が効きにくくなった」「飲む回数が増えた」と感じたら、専門の医療機関にご相談ください。
月15日以上・3ヶ月以上続く場合は「慢性緊張型頭痛」の可能性があります。ただし、くも膜下出血や脳腫瘍など重篤な病気が隠れていることもあるため、まずは医療機関で検査を受けることをおすすめします。
お気軽にお問い合わせください
「これって受診したほうがいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
症状がはっきりしていなくても、不安や違和感があればご相談ください。
日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医/指導医
當銀 壮太
南武線鹿島田駅から徒歩5分のかしまだ頭痛 脳神経クリニック院長。「頭の悩みを気軽に相談できる場所を作りたい」という想いから、川崎市幸区にクリニックを開院。地域中核病院にて、脳血管障害や頭部外傷、脳腫瘍への専門的治療(開頭手術・カテーテル治療・化学療法)に幅広く従事。その豊富な臨床経験に基づき、患者様一人ひとりに最良の医療を提供することに尽力している。