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MCIスクリーニング検査|かしまだ頭痛脳神経クリニック

MCIスクリーニング検査

MCIスクリーニング検査

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「人の名前が出てこない」など物忘れが増え、将来の認知症に不安を感じていませんか? 発症前のリスク発見に有効なのが「MCIスクリーニング検査」です。本記事では、少量の採血で分かる検査の仕組みや特徴、流れについて分かりやすく解説します。

そもそもMCIとは

そもそもMCIとは

MCI(Mild Cognitive Impairment)とは、「軽度認知障害」のことです。
本人や家族から認知機能の低下の訴えはあるものの、日常生活は問題なく送ることができている認知症発症の前段階の状態のことをいいます。

MCIは約5年でその半数近くが認知症に移行するといわれています。一方、MCI期に適切な予防を行うことで、認知症への移行を食い止めることもできるといわれています。

認知症は早期発見・早期対策が大切です

症状の進行を一定期間防ぐ薬はあるものの、根本的な治療薬は開発されていません。認知症を発症するとかかる医療費も莫大です。

かつては「認知症は治らない」と考えられていましたが、近年の研究により、MCI(軽度認知障害)の段階で適切な予防や対策を行えば、健常な状態へ回復したり、発症を遅らせたりする可能性があることが分かってきました。

認知症の原因物質(アミロイドベータなど)は、発症の約20年前から脳内に蓄積し始めると言われています。症状が出てからではなく、その前の段階でリスクに気づき、生活習慣を見直すことが、脳の健康を守る鍵となります。

このような方におすすめです

以下のような方は、そうでない人と比べるとMCIやアルツハイマー型認知症のリスクが高くなります。

  • 高血圧を指摘されたことがある方
    (血管性認知症・アルツハイマー型のリスク上昇が示されています)
  • 脂質異常症(特に LDL 高値)を指摘されたことがある方
    (中年期の脂質異常症は後年の認知症リスクと関連)
  • 2 型糖尿病がある、または HbA1c が高めと言われたことがある方
    (糖尿病は明確な認知症リスク因子)
  • 喫煙歴のある方(現在 or 過去)
    (アルツハイマー病を含む全認知症のリスク増加が多数報告)
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)を指摘された、もしくは大いびきや日中の眠気が強い方
    (低酸素状態や睡眠の分断が認知機能低下と関連)
  • 家族に認知症の方がいる(特に親または兄弟)
    (家族歴は遺伝・生活環境の両面から有意なリスク因子)

MCIスクリーニング検査について

MCIスクリーニング検査は、アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクを調べる血液検査です。

MCIスクリーニング検査

検査ではタンパク質の血中濃度を調べます

アルツハイマー型認知症の主な原因とされるのが、脳内の老廃物である「アミロイドベータ」というタンパク質の蓄積です。
通常、アミロイドベータは脳内から血液中へと排出されますが、加齢や生活習慣の乱れにより、その排出機能が低下すると脳内に溜まってしまいます。

MCIスクリーニング検査では、アミロイドベータの排出に関わる「3つのタンパク質(アポリポタンパク質A1、補体第3成分、トランスサイレチン)」の血中量を測定します。これらのタンパク質の量が減少している場合、アミロイドベータを排出する力が弱まり、認知症のリスクが高まっていると考えられます。

リスクを4段階で評価します

検査結果は、将来MCIや認知症になるリスクに応じて、A〜Dの4段階で判定されます。

  • A判定
    リスクは低い(年1回の定期検査を推奨)
  • B判定
    リスクはやや低い(生活習慣に気をつけ、年1回の検査を推奨)
  • C判定
    リスクはやや高い(生活習慣の改善に取り組み、相談医と相談の上、半年〜1年後の再検査を推奨)
  • D判定
    リスクは高い(二次検査や生活習慣の改善が必要。専門医への相談を推奨)

※この検査はリスクを判定するものであり、認知症かどうかを確定診断するものではありません。

MCIスクリーニング検査の特徴

MCIの早期発見・早期治療につながる

画像検査(MRIやCT)や認知機能テストでは発見しにくい、脳内の微細な変化を血液検査によって捉えることができます。発症前の段階でリスクを知ることで、運動や食事などの生活習慣改善に早期に取り組むきっかけになります。

少量の採血で受けられる検査

検査は2mlの採血で受けられます。MRI検査のような拘束時間や、放射線被曝の心配もありません。身体への負担が少ないため、高齢の方でも安心して受けることができます。

豊富な実績

MCIスクリーニング検査は、既に130,000人以上の方が受けている検査です。統計データに基づいた信頼性の高いリスク評価が行われます。

全国各地の医療機関で普及

特定の専門病院だけでなく、全国の提携クリニックや健診センターなどで受けることが可能です。身近な医療機関で手軽に検査を受けられる環境が整っています。

自治体や医師会でも採用が進んでいる

個人の受診だけでなく、地域の健康診断や企業の福利厚生、自治体の認知症予防事業として採用されるケースが増えており、その有用性が社会的に認められつつあります。

筑波大学と共同開発

この検査は、筑波大学発のベンチャー企業(株式会社MCBI)と筑波大学医学医療系・内田和彦准教授(当時)らによって共同開発されました。長年の研究成果に基づいた科学的根拠のある検査です。実用化後も共同研究を行い検査の改良をしています

MCIスクリーニング検査の流れ

当院での検査の流れは以下の通りです

  1. 予約
  2. 採血
    採血を行います。
  3. 検体の解析
    採取した血液は専門の検査機関に送られ、解析が行われます。
  4. 結果の報告
    数週間後(通常2〜3週間程度)、検査結果レポートが郵送されます。

注意事項

検査頻度について

身体の状態や生活習慣は変化するため、アミロイドベータを排除する能力も変動します。
判定結果がAまたはBの場合、健康診断と同じように、1年に1回定期的に受検することで、自身の変化をモニタリングし、予防への意識を保つことが推奨されています。判定結果がCまたはDの場合、医師に相談の上、問診型テスト、画像検査などを受けることをおすすめします。

MCIスクリーニング検査の費用

MCIスクリーニング検査は、公的医療保険が適用されない「自由診療(自費)」となります。

費用 25,000円(税込)

※上記金額は郵送料も含まれます

まとめ

人生100年時代と言われる今、長く自分らしく過ごすために「脳の健康」は非常に重要です。

「まだ早い」と思わず、少しでも不安を感じたら、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。早期の気づきが、未来の笑顔を守ることにつながります。

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